文部科学省は,2021年度入試で大学入学共通テストを活用するかどうかを調査しました。
調査の対象となったのは,全国の国公私立大学1,068校(大学759校,短大309校)。964校からの回答結果がもとになっています。
その結果を詳しくみてみたいと思います。
調査の結果,
全体では,
「活用する」:61.3%
「まだ決まっていない」:29.1%
「活用しない」:9・1%
となっています。
ただし,これを国立大,私立大に分けてみると,傾向がはっきり区別されます。
国立大:97.6%が「活用する」
公立大:92.7%が「活用する」
私立大:65.3%が「活用する」
センター試験を活用していた国立大学は,ほとんどの大学で「活用」すると答えています。
私立大学の調査結果を詳しく見てみると,
「活用する」」65.3%
「活用しない」7.7%
「まだ決まっていない」30.3%
となっていて,「活用しない」ことが決まっている大学は1割に満たないものの,「まだ決まっていない」大学が3割もいることが分かります。
ちなみに,この調査の中に,2021年度入試についての通知を公表しているかどうかの調査も含まれており,国立大学の78%が公表済みであるのに対して,私立大学では,すでに公表しているのは15.7%にすぎず,「公表の準備をしている」(37.7%)「公表について検討中」(35.8%)が大部分を占め,さらには「公表の検討を開始していない」「未定」なんて大学も1割もあります。
英語の外部試験の点数は,一定の条件を満たす人に生徒については,高校2年生で受験したときの結果を使用できる場合もあります。つまり,現高校2年生は今年から外部試験を受けているかもしれない,あるいは受けるべきであるのに,まだ現高2生が受験する2021年度入試の予告がされていない大学が大半,というのは,あまりに余裕のないスケジュリングではないでしょうか。
もちろん,大学の不手際というよりは,文部科学省の主導に問題ありと言わざるを得ないわけですが,ただただ不思議なのは,なぜこんなにドバタバタと急いで導入する必要があるのか,ということです。
この大人のドタバタのあおりを受ける受験生が一人でも少ないことを願います。
国語の記述問題
国語の記述問題については,
「まだ決まっていない」:69.3%
「点数化して得点に加点」26.8%
ですが,国立大では64.6%が国語の記述問題を点数化するとしています。
英語資格・検定試験
「利用する」:41.4%
「利用しない」:8.8%
「まだ決まっていない」」49.4%
ただし,国立大に限って言うと,90.2%の大学が「利用する」と答えています。